岩手県岩手町 担当者にインタビュー
取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご説明いただけますか?
岩手県岩手町 企画商工課 熊谷洋造 氏・伊藤賢 氏
健康福祉課(現:健康こども課) 山本めぐみ 氏
岩手町では総合計画にのっとった町づくりに取り組んでおり、岩手町では「わたしたちが創る笑顔いっぱい いわてまち」という将来像を掲げています。
目指す将来像の実現にはいくつかの課題があり、総合計画の中には117項目の課題があげられています。
課題は多く様々な分野に及びますが、クアオルト健康ウオーキングの取組みは、岩手町が抱える様々な課題の解決につながるものだと思っておりました。
そんな中、これまでに多大なご協力をいただいた方々に恵まれ、取組みを始めるに至る機会をいただいたことがきっかけです。
首長や他部署に対して理解してもらうためにプレゼンをするのは、かなり大変ではないかと思うのですが、苦労したところなどがあれば伺えますか?
岩手町のクアオルト健康ウオーキングの取組みは、岩手町企画商工課、健康こども課、社会教育課の共同で行っており、クアオルト健康ウオーキングの取組みを通じての各分野の行く末を検討するときは多々ありましたが、何度も打合せを行いながら進めてきました。
また、岩手町は岩手県主体の「いわてクアオルトネットワーク研究会」や滝沢市や一戸町等の周辺自治体、株式会社近藤設備様をはじめとする先行事業者、岩手県立大学看護学部、その他多くの民間業者と意見交換会や体験会の開催、協働研究などの密な連携を行っています。
これにより、先行団体の事例を共有したり、自らが抱える課題を互いに検討したりして、庁舎内や町だけではなく、分野を問わず様々な方々の協力をいただきながら、本事業を推進させることができていると感じております。
クアオルト健康ウオーキングを活用して解決したいことはなんでしょうか?
クアオルト健康ウオーキングの取組みは、岩手町総合計画の取り組むべき課題の解決につながると思っています。
岩手町総合計画の取り組むべき課題は、117の項目がありますが、中でも「観光」と「健康づくりの推進」に関する課題に対して、大きな期待をもっています。
観光に関しては、観光・交流資源の活用が課題となっており、古くから続く伝統的なイベントは、交流人口の拡大につながっているものの、岩手町にある観光資源を有効活用できていないというのが現状です。
健康に関しては、働き世代の生活習慣病の増加傾向や自殺死亡率が高いことが課題で、特に自殺死亡率について、岩手県は全国的にもワースト1位を争う結果が続いています。
そこで、クアオルト健康ウオーキングの取組みと既存の観光資源の融合により、豊かな自然を感じながらウオーキングをしたり、芸術に触れながらウオーキングをしたりすることによって、クアオルト健康ウオーキングと岩手町の魅力的な資源との相乗効果を狙いたいと思っています。
色々な健康増進方法があるがクアオルト健康ウオーキングを導入しようとおもった理由はありますか?
岩手町が保有する豊かな自然と魅力的な観光資源、石神の丘美術館のみではなく町内全体に広がるアートとウオーキングの融合が期待できると思ったからです。
また、きれいな自然空間や花、アートに囲まれた場所で、クアオルト健康ウオーキングを行うことにより、幸せホルモンと言われる「セロトニン」の分泌を促すような相乗効果が期待できると考えたからです。
岩手町では、「自分の健康は自分で守る」という意識で、健康づくりに取り組む町を目指しています。
健康づくりのための運動は、継続し習慣化することによって効果が発揮するものとされており、クアオルト健康ウオーキングは、「頑張らないウォーキング」ということもあり、町民の自主的な健康づくり習慣を作る第一歩になり得るのではないかと思ったことも理由の一つです。
健康プログラムと合わせて、どんな特色をみせたいでしょうか?
岩手町では、本アワード受賞に伴い町内にクアの道を2コース整備予定です。
どちらも、岩手町内にある豊かな自然とアートを感じながら歩くことができるコースとなっておりますが、このクアオルト健康ウオーキングを機会に交流人口が増え、町民がコースだけではなく様々な場所で、自然とアートを感じながらウォーキングを楽しんでいるような、健康増進に励む町民が多い町になればいいなと思っております。

