愛知県岡崎市 担当者にインタビュー

取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご説明いただけますか?

愛知県岡崎市 保健部 健康増進課 健康増進係 芝鼻 美紀 氏・酒井 理江 氏

 本市の健康づくりは、『健康おかざき21計画(第2次)』を柱として、様々な事業に取り組んでいます。ここ数年ではウォーキングマップの作成、ウォーキングイベントの開催、ウォーキングアプリの開発など「歩く」ことを積極的に市民に啓発してきました。また、市全体では、スマートウエルネスシティ首長研究会への加盟、岡崎市健康基本条例の制定、職員のスニーカービズの実施など、健康づくりの意識が高まっています。

 そこで、健康づくりの担当課では、力を入れているウォーキングをステップアップさせた岡崎市独自の取組を考えていたところ、クアオルト健康ウオーキングのお話をいただき、アワードに応募しました。

関係者に対して理解してもらうためにプレゼンをするのは、かなり大変ではないかと思うのですが、苦労したところなどがあれば伺えますか?

 クアオルト健康ウオーキングは観光・産業的な側面も大きく、クアオルトの担当課が健康づくりの部署であるため、どこの部署に協力してもらったらよいのか分からず関係部署の調整に苦慮しました。

 今後は、クアオルト健康ウオーキングが市民の健康増進につながるだけでなく、新たな観光資源として活用することで地域が活性化し、健幸都市岡崎、観光都市岡崎が実現するという将来像を関係部署で共通認識を持てるように情報の共有をしながら事業を進めていきたいと思います。

クアオルト健康ウオーキングを活用して解決したいことはなんでしょうか?

 健康おかざき21計画(第2次)の中で、糖尿病有病者の割合が愛知県の平均と比べて高いことや野菜摂取が少ない現状があります。また、平成30年度に行った中間評価の市民アンケート結果からは運動不足と感じている人が約70%おり、そのうち約90%が運動不足を解消したいと思っていることが明らかになりました。クアオルト健康ウオーキングを活用することにより、これらの健康課題を解決し、市民の健康寿命の延伸につながればと考えております。

 さらに、クアオルト健康ウオーキングを核とした取組を「生活習慣病の予防」、「質のよい睡眠」、「メンタルヘルスの改善」など市民の健康維持・増進に幅広く役立てていきたいと考えています。

 また、将来的にクアオルト健康ウオーキングが市内に広がれば、地域の人材の一つとしてアクティブシニアを活用し、高齢者自身の「生きがいづくり」や「認知症の予防」にもつなげていけるのではないかと思っています。

色々な健康増進方法がありますが、クアオルト健康ウオーキングを導入するに至ったポイントはなんでしょうか。

 本市では、スマートウエルネスシティの推進のために、「歩く」をキーワードにした健康づくりを推進しています。これまでは、主に市民の「歩くきっかけ」をつくることに取り組んできました。今後の展開として、生活習慣病の発症や重症化予防に着目し、健康無関心層を含む働き世代の方の健康増進を企業と連携して実施できないかと考えていました。「健康によい歩き方を学ぶ」、「歩く効果を実感できる」クアオルト健康ウオーキングは、一人ではなかなか健康づくりに取り組めない人に対して、市と企業等が連携して働きかけていくためのツールとして有効ではないかと思い、導入することにしました。

 また、皆さんの健康志向が高まってきているため、新たな観光資源として観光都市岡崎の発展にも寄与できるのではないかと考えています。

健康プログラムと合わせて、どんな特色をみせたいでしょうか?

 クアオルト健康ウオーキングと現在行っているヘルシー弁当の販売や飲食店での野菜たっぷりメニューの提供などの取組とコラボさせることにより、運動+良眠+栄養といった全身の健康づくりを視野に入れた、新たな健康づくりメニューを開発し、「そこで暮らすだけで健(けん)幸(こう)になれるまち」スマートウエルネスシティを推進していきたいと考えています。

 また、愛知県のほぼ中央部に位置する本市は、徳川家康公の生誕の地であり、中心市街地には、岡崎城を始め、家康ゆかりの社寺、史跡などの歴史的建造物などの見どころが多くあります。一方で中山間地域には水や、緑の豊かな大自然が広がっています。これらの地域の特色を活かし「歩く+α」で魅力ある『岡崎式クアオルト健康ウオーキング』を市内外に広めていきたいと思っています。