岐阜県関市 担当者にインタビュー

取り組みを始めるに至ったきっかけ、経緯などをご説明いただけますか?

岐阜県関市 健康福祉部市民健康課 小堺菜月 氏

 当市の尾関市長が、クアオルト健康ウオーキングの活用に関心を持ったことがきっかけです。市長から指示があった頃、株式会社日本クアオルト研究所よりクアオルト健康ウオーキングについてご説明いただく機会がありました。健康づくりだけでなく、観光の推進や産業の発展による交流人口の拡大、コミュニティの活性化によるまちづくりの推進につなげていけることを確信し、クアオルト健康ウオーキングの取り組みがスタートしました。当市の尾関市長は、からだを動かすことが大好きなアクティブな市長です。

首長や他部署に対して理解してもらうためにプレゼンをするのは、
かなり大変ではないかと思うのですが、苦労したところなどがあれば伺えますか?

 市長の指示から始まったため、導入することを前提に取り組みがスタートしました。取り組みを始めるにあたり担当部署が市民健康課となったのですが、クアオルト健康ウオーキングを導入することで、健康づくりだけではなく、観光や産業の発展、まちづくりの推進につなげていきたいことを、関係部署と共有するところからすすめました。今年度は全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大し、庁内関係者への勉強会が事業取り組みの開始後しばらくしてからになります。そのため、関係部署の担当者に個別でクアオルト健康ウオーキングについて説明し、情報共有を図りながら事業をすすめていますが、庁内一丸となって推進する体制を作っていくためには、まだまだ努力が必要だと感じています。

クアオルト健康ウオーキングを活用して解決したいことはなんでしょうか?

 本市では、健康せき21計画や関市第5次総合計画で、健康寿命を延ばす意識の高揚や地域資源を活かした観光の推進を位置づけています。

 本市の健康状況は、男性の肥満者の割合が多く、糖尿病有病率が増加しています。意識的に運動を心がけている人の割合も減少しているため、生活習慣病予防や生活習慣病の重症化予防のためにクアオルト健康ウオーキングを活用し、健康寿命の延伸につなげていきたいと考えています。

 また、本市への観光客の状況として、1人あたりの観光消費額が低い現状があります。県内外からより多くの観光客に来訪してもらうため、クアオルト健康ウオーキングを活用して、周遊ルートや体験メニューを開発し、観光入れ込み客数や観光消費額の増加につなげていきたいと考えております。

色々な健康増進方法がありますが、クアオルト健康ウオーキングを導入するに至ったポイントはなんでしょうか。

 健康づくりの政策として、平成16年度から健康せき21計画を策定し、計画当初から特にウオーキングを推進してきました。しかし、健康づくりのためにウオーキングをする人の割合は増加していますが、意識的に運動を心がけている人の割合は減少しています。また、ウオーキング手帳の作成やウオーキングコースの整備など、個人が仲間と取り組みやすい、さまざまなウオーキングプロジェクトをすすめてきましたが、参加者は横ばい状況、新規の参加者が増えないことが課題で、新たな手段を模索していました。

 関市の健康状態の特徴として、肥満者やメタボリックシンドロームの者が多いため、運動習慣がない方への運動のきっかけとして、「がんばらない」「無理しない」「個人の体力に合わせて歩ける」歩き方で、自然や観光を活用したクアオルト健康ウオーキングを導入したいと考えました。

健康プログラムと合わせて、どんな特色をみせたいでしょうか?

 ウオーキングと観光に加えて、自然環境や温泉、食などの豊かな地域資源をつなぎ合わせることで、観光地としてさらに魅力が高まると考えています。また、市内企業の健康経営支援にもご活用いただけるよう、宿泊型保健指導プログラム(スマート・ライフ・ステイ)も企画し、たくさんの方に関市を楽しんでいただけるように考えていきたいと思っております。

 また、岐阜県内では飛騨市、岐阜市、白川村でも、クアオルト健康ウオーキングを実施されています。県内の実施市町村と連携をとり、県産食材を使用した食の開発など、広域的な取り組みにしていきたいと考えています。